更新を半年以上もサボってしまいました。お恥ずかしい。

さて。
「需要の重要性」
・・・と口に出して言うと、何かダジャレみたいになってしまいますが。

サプライチェーン・デザイン(SCD)のお仕事において、
実は一番大事な前提条件となるのが、「需要情報」です。

「サプライチェーン」とは、以前にも書きましたが
(→【サプライチェーン・マネジメントのおさらい】)
「供給の連鎖」です。
そして「供給」により充足したいのは「需要」です。

実ビジネスの現場においては
「工場で作れるだけ作って、とりあえずそれを倉庫などに押し込んでおく」
という「プッシュ型」の動きをする場合も多々あるのですが
サプライチェーンの本質、原点とは
「まず需要ありき」(=「プル型」)
と言える
と思います。

いくら近視眼的に見れば「プッシュ型」の運用をしていても、
その大前提にはやはり「(ある程度の)需要がある」という条件が隠れています。
ただ、その需要と供給のバランスをつぶさに観察して調整をかけていくか、
製造側の都合で動き続けるかの差なのですね。

各種のサプライチェーン・デザイン(SCD)ツールも、
「プル型」を前提とした仕組みとなっています。

つまり、まずユーザーが「需要予測」を入力すると、ツールは
「その需要を満たすための、理想的なサプライチェーンのあり方」
を計算する
ように出来ているのです。

・・・となれば、SCDツールなどを使って
「理想的なサプライチェーンのあり方」
をデザインしたとしても、モトとなる需要情報がメチャクチャであれば
「間違った土台の上に立てた家」のごとく、
意味の無いものになってしまうという事になります。

これを回避するためには、状況に応じて2つの方法があります。

1.とにかく、「従来の有り方」を見直したい場合
→「過去の実績」を需要情報として使用する
実績ほど確かな数字はありませんから。
とりあえず、
「今までのやり方はどれだけ無駄があったのかな?」
「もしビジネスが同じように続くなら、本当はどうした方が良いのかな?」
という分析を実施するなら、過去実績さえあれば十分です。

2.「今後のあるべき姿」を模索したい場合
→需要予測ツールなどを駆使する

正直、「回避方法」とは言い難いですね・・・(笑
正攻法です。
要するに、
「一生懸命、できるだけ精度の高い需要予測を立てるしかない」
という事です。

サプライチェーンデザインのお手伝いをしていますと、
相当シンプルな方法で需要予測を作られるケースが散見されます。
(「ま、昨年実績から基本、10%増しくらいでいっかー」みたいな。)
作業を開始するにあたってはそれでも悪くは無いのですが、
上述した通り「土台」となる事を考えれば
「もう少し、手をかけて」
需要予測データを作成頂きたいワケです。

そして最近は様々な需要予測ツールがありますので、
そういうものを使用するのも1つの手です。

せっかく社内のサプライチェーンデザイン業務を
(「勘と経験と度胸(KKD)」ではなく)
ツールを使って実施しようとなさるのであれば、
その土台となる需要予測のツール化も是非ご検討頂きたい所です。

「精度の高い需要予測に基づく、
根拠・ロジックが明確なサプライチェーンデザイン」
こそは、
「しっかりした土台の上に建つ、普請の強い家」
なのですから。


※なおサプライチェーンの設計をするに当たっては
需要予測こそが「土台」であることは事実なのですが、
しかし、「精度の高い未来の予測が出来るなら苦労しない」のも事実。
実ビジネスの世界においては予測や計画が外れたり、
想定外の事象が発生するのが常ですね。
これも以前の記事に書きましたが(→【サプライチェーンデザインとは】)、
サプライチェーンデザイン業務をツール化する意義は
そういう「不測の事態」「予測や計画のズレ」に
迅速に対応できるようにする意味も大きい事はお忘れなく。


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