モノを運ぶには、トラック、鉄道、船、航空等、異なる複数の輸送手段があります。
また「トラック」だけ見ても、トラックのサイズや前提となる積載率によって、かかるコストは異なります。

サプライチェーンにかかるコストを「最適化」するためには、
「どこから何を運ぶか」という「点と点の組み合わせ」(網目の形)だけでなく、
「それをどのように運ぶか」という、「線の種類」(網に使う糸)の選別が重要です。

◆輸送手段の見直し例1
今は全部トラックで配送しているけど、鉄道や船便を考慮に入れた場合、
トラック、鉄道、船便の割合はどんな感じになる?
その場合、どれだけコストが下がる?


◆輸送手段の例2
航空便を積極活用するなどして、輸送リードタイムを短縮し顧客満足度を上げたい。
例えば全てのお客様へX日以内に商品が届くようにするためには、
どれだけ航空便を使う必要があるか?
その場合、どれだけコストが増加する?

など、ニーズはお客様により、かつ場合により様々ですが
「輸送手段の見直し」はどの企業でも
何がしかのタイミングで必ずと言って良いほど発生します。


具体的な事例(海外の、ある電子系メーカー)では、
「新製品としてバンバン売れていた時期はとにかく空輸していたが、
市場が成熟化し、製品価格もダダ下がり気味なので
今度はコスト削減のために船便に切り替えていきたい」
というニーズから、以下のような「モデリング」をしました。
(→参考:「モデリング」とは?

・工場から特定の地域までの経路について、従来の「航空便」に加えて「船便」を設定
・船便で届いた大量の製品を一旦備蓄するための中央物流倉庫を港近くに新設
中央倉庫から各町(地域)のDCへの陸送経路(トラック)も設定
・「需要の半分は船便で輸送する(でも逆に言うと、空輸も半分くらいは残る)ものとする。」

結論としてはこれで、なんと毎年の輸送費が4割も減る事が分かりました。
もちろん、拠点を「新設」するためのコストは別途、1回かかりますが
「このままだったら毎年かかったであろう輸送費から削減される4割の金額」
のおかげで数年のうちに取り返せる事が分かりました。

例えばこれを、私の勘や経験から計算しろと言われれば、
以下のように考えます。

******************
航空便と船便とは、うんと単純に言えば
平均で10倍くらいのコスト差があったなあ。

現在は100運んで100のお金がかかっていたとすると、
今後は
航空便・・・半分の50を運び、50の費用がかかる
船便・・・残り半分の50運んでも、費用は5だけで済む
となるなあ。

つまり合計コストは「55」。
なので、元の100から比べると45、即ち4割半も削減できる事になるな。
ただし、陸送が少し増えるハズ?
まぁその辺を考えても、3割~4割近くは減るだろ。
******************

こうしてみると、私が弾き出す「想定効果」と、
ツールによる計算結果は非常に近い事になります。

しかし、私の計算とツールの計算では徹底的に違う事があります。
それは、
「経路ごとに、実態に近い輸送費が設定されている」
「陸送分や、倉庫でかかる費用もちゃんと考慮に入れている」
ことです。

すわわち、
「工場→空港→空港→各地域倉庫」
「工場 → 港 → 港 →中央倉庫→各地域倉庫」
の全体的な流れの中でかかる輸送費、在庫維持費、荷捌き費等まで
キチンと詳細に計算しているため、
出た結論の概要は似ていても、その質は別次元のものと言えるのです。

ツールの良さは、こういう網羅性の高さと根拠(計算)の明確さです。


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